一文字弦道編 (2020年加筆編集)

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本日は一文字の弦道についてです。

まず、物理的に一文字の弦道にしても、弦は直角にはかかりません。(よく五重十文字などとは申しますが)

たとえ弦道を真っ直ぐにしたとしても、弓に引かれる支点になっている以上、弦は必ず「く」の字に湾曲して弦道に掛かります。
下弦が切れ込むというのは、物理学上当然でありまして、「台形」もしくは「コの字型」にかかっている弦というのは、未だかつて見たことがありません。

特に下弦を取ろうとして「こじる」と下弦を取るべき弦道の部分は消失しやすくなります。
たまに弦道は変わらないと思われている方もいらっしゃいますが、樹脂で固めたり、さめ革を貼ったりしない限り、弦道はその方の引き方で大いに変わります。

うまくいかないことを道具に原因を求めるのは、道具を見直していただく上で良いことだと思っています。実際、上達を妨げる弽が実在するのも事実です。

また、道具には相性もあるため、征矢の弽が絶対にムリ!! という方もいらっしゃると思います。

物事は一点にとらわれず大きくみたほうが、より良いものに出あえるかもしれません。

弽は、本来引き手の「邪魔をしない」のが本筋であります。
皆様のお手元にあるゆがけが、「邪魔する弽」でしたらご相談頂ければ幸いです。