misdirection 2 つづき

滋賀県H様 束離メンテナンスの御依頼
H様、前回のブログでもご紹介したお客様ですが。
今回のご指摘はこちら


要するに「捻るので、下弦の部分をしっかりかかるようにしてくれ」との事。
さらに「まっすぐの弦道にしたいのに、弦道が斜めに切れ始める、不具合ではないだろうか」ということで。

弊社はこうお伝えいたしました。
「弦道を移動するのはかまいませんが、現状から指示通りにすると、かなり捻りまくらないと、取懸けも出来ず、引き分けから大三で少しでも捻りが戻ると、暴発しますが、それでも良いですか?」
一応、お客様の「一般的ではない」指示に対し、こういうリスクがありますよ、というアドバイスは致します。
結果、H様は弦道の移動は今回は見送られました。
次は、一文字の弦道についてです。
一文字の弦道にしても、弦は直角にはかかりません。(よく五重十文字などとは申しますが)たとえ真っ直ぐにしたとしても、弓に引かれる支点になっている以上、弦は必ず「く」の字に湾曲して弦道に掛かります」
下弦が切れ込むというのは、物理学上当然でありまして、「台形」もしくは「コの字型」にかかっている弦というのは、未だかつて見たことがありません。
特に下弦を取ろうとして「こじる」と下弦を取るべき弦道の部分は消失しやすくなります。今回のH様の事例はコレが原因ではないかと思いました。
要は「引き方」なのです。
うまくいかないことを道具のせいにするのは、道具を見直していただく上で良いことだと思っています。実際、上達を妨げる酷いカケが実在するのも事実です。
しかし、全ての責任が道具にあるわけではありません。全ては使い手の技量となります。
H様の場合、「弓の強さが技量にあっていない」とゆがけが叫んでいました。
H様、ご参考になれば幸いです。

ゆがけは、引き手の「邪魔をしない」のが本筋でありますので、製作者、もしくは売り手が「このカケは、こうやって引きなさい」と指示、強要するのはいかがなものかと思っています。
皆様のお手元にあるゆがけが、「邪魔するゆがけ」でしたらご相談を。

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