修理課日記

山形県T様 他社品 台革替
「必要と思われるところは全て修理してください。予算は特に考えておりません。必要に応じて」
T様の修理依頼書に書かれていた御指示の内容です。カッコイイです。

現物がこちら



…うーむ、重症です。とっても。革が物理的に修理不可能です。

と言うことで、見積はいらないとご指示があったにも関わらず、T様にご連絡。修理が出来ないので、最後の手段「台革替」のご提案。

台革替は、帽子と控の角度を保ったまま移植する修理になるので、ほぼ新品になるのですが、使用感は限りなく修理品と近くなります。
が、やはり全体の革を変えてしまいますので、違和感が出るのも然り。

ですが、T様は台革替の修理で良いと言うことで、修復開始です。

まず分離させます。

台革替するカケは、経年劣化でほぼ100%、控が剥離しています

T様のサイズの台革を用意します。今回は燻革です。

挿げ込み、弦道を補強、控を修復していきます。

こんな感じです

今回控革も使用する予定でしたが、途中で耐えられないと判断、控革も交換します。コレは別途料金になり、3,150円です。


新品の控革

張り込んで、縫い上げます。

最終段階です。ちなみに、弦枕もオリジナルのままです。

完了。形以外、原型をとどめるのは帽子革くらいです。




お疲れ様でした

修理金額は5万円を超える大変高額な修理となりました。T様誠にありがとうございました。

 

 

最近コンスタントに4ッ化依頼がありますが、なにかブームでしょうか??


因みに、最初から4ッの方が安いですよー(笑