束離と雨露離 台革色の違いについて

ときどきご質問いただく、束離と雨露離における台革色の違いについてです( ‘ω’)

まず、束離の台革は「丸染め」という方法で染色されたものです。その名の通り全体を染料で染めますので、例えば束離の黒でしたら、このように表も裏も真っ黒になります。

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一方で、束離燻以上のグレードでは、伝統的な「燻(いぶし、ふすべ)」と呼ばれる、松や藁の煙によって着色された革が使われます。燻革には表裏があり、色の濃い方が表、薄い方が裏です。

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いずれも、単に色を付けるだけではなく、使用感や耐久性を高める効果があります。

 

雨露離以上のグレードで「燻茶」以外の色は、燻に加えて表面に染色が施されています。裏側は通常の燻革ですので、雨露離の「黒」はこのような色合いになります。冒頭の束離と見比べてみてください。

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束離の黒と区別するために、当ブログのタグ上では「黒燻」という風に表現しています。

 

ちなみに、どうしても「内側まで真っ黒じゃないと…」という向きには、「丸染め革の雨露離」というものも製作可能です(値段は通常の雨露離と同じ)。一般的に燻革のほうが高価ですので、少々もったいない気もしますが(・_・;)