修理課日記

神奈川県I様 他社品 2個イチの事例

ニコイチにしてください」

I様より丁寧にご依頼を受けましたが、要約するとそういうことでした(笑

なかなかこのような事例は珍しく、久しぶりに

「修理がうまくいくかどうか不安」

と思いながら進めた修理でした。

 

では、本題。かなり古い無銘のカケと範士岡崎先生の無争です。



今回は、無争の台革部分と無銘の帽子〜控部分をくっつけます。

台革の大きさ、形の違い、革の厚み、その他もろもろが違いすぎる2つを「きちんと使えるようにしてくれ」という、これぞまさに「口で言うは易し」の良い事例と思いました(笑

しかし、こんなに興味深い修理をお任せいただけるI様に感謝しつつ、修理開始。

まずは丁寧に控から捻り革を外していきます

で、思い切って裁断

あとには戻れません(笑
コチラも同じように外します

ニコイチにする部材2つが出来ました。同じ位置になるよう、裁断するまでに結構時間を要しました。

余談ですが、無争はとっても縫い目が綺麗です。

弊社では唯一修理をお受けしていない銘でもあります。あしからず。
コチラはお返しする部材。お疲れ様でした

2つの台革。こんなにも切り口が違いますが、きちんと擦り合わせていきます

合体

…全然合いません。
当然、成型していきます

とりあえず、こんな感じに

帽子革も交換します

帽子革完了

七分縁を取り付け、完了


綺麗に、きちんと完璧に修理できました。

このような修理をさせていただき、ありがとうございました。