捻りとは・・・? 指導者とは・・・? (2020年修正加筆)

束離のメンテナンスの御依頼

とても熱心なお客様なのですが、今回のご要望として
Q1、元々捻れないカケなのでは?
Q2、捻れないから、弦道を下にのばしてほしい

お答えします。

A1、捻れないカケの定義を弊社なりにお伝えします。簡単に申し上げると、弦を取りかけたとき、弦道と捻り革の部分に空間がないと物理的に捻れません。
【空間がある】

【空間がない】

カケが捻れないカケなので無く、捻りが何たるか、ということをまずはご理解いただければと思います。


A2、下弦を取りたいということだと思われます。

言葉は難しく、その方々によって同じことを指す言い方でも言葉が違う場合があります。
弦道に関しては、人により「上に」「下に」「奥に」「右に」「左に」「先に」「手前に」・・・と、言い方がばらばら、指している言葉の意味もまったく違います。ですので、弦道の移動のご指示は、図解してもらうと間違いがありません。よろしくお願い致します。

基本的に、本当に捻りがかからないのであれば原因はカケ自体にありますし、弦道の移動で解決するものではありません。
弦道の移動は「捻りを極端に(または強く)かけたいから移動してくれ」という方のご指示になります。

お客様とのお話の中で、「師匠」という言葉が出てきました。もちろん指導者の方を指しているのでしょう。どんな道場にも指導者の方はいらっしゃると思います。
弊社は、日本全国の弓道家の方とお話をさせていただく機会がありますが、その考え方や理念、引き方の指導方法などは千差万別です。
時にはまったく真逆の事を理念と言われている方もいらっしゃいます。
指導者の方に意見を聞くのはかまいませんが、
「〜先生に、このカケは○×と言われました」
というのは、とても困ってしまいます。ご本人様の意見でしたら、よろしいのですが、その場合は意思が確立していない為、どうすることも出来ません。
たとえば
弊社「では、○×すればよろしいですか?」
お客様「ええ、〜先生はそうおっしゃっていましたし、私は良くわからないもので」
弊社「なにか○×のように思われるのですか?」
お客様「いえ、他の先輩方にもみてもらってそんな感じだったので」

ご自身がどう思っているか、それが重要なのです。
これはオーダー後にお渡しする説明書にも記載していますが、他人のアドバイスのみで修正や作り直しはいたしません。ご了承いただけますと幸いです。