生徒・学生さんの新入生でそろそろ自分のカケを手にされる方も多いのではないでしょうか。湿気が苦手なカケの使用開始が梅雨時というのはなかなか大変だと思いますが、少しでもカケを長くきれいに使う方法についてご紹介します。使い始めの習慣づけが肝心です。
カビ対策
カビは湿気+栄養で発生します。
- 下カケは数枚を代わる代わる使い、汗で湿ったものを使い続けない。
- 練習後は、あづち整備やミーティングなどの短時間でも、風通しの良い場所で陰干しする。湿ったまますぐに巻いておくとカビやすい。
汚れ対策
ぎり粉は松ヤニ原料で粘着性のある粒子ですので、微細な汚れもくっつけてしまいます。
- ぎり粉は、必要時に様子を見ながら少しずつ使う。漫然と習慣的に使うと、汚れやすくなるばかりか、過度の摩擦で革を傷つけ、穴あきの原因にもなる。
- 練習後は、ぎり粉を柔らかいブラシなどで軽く払い落とす。付けすぎた場合も同様。
定期メンテナンス
安定した射を行うためには、修練ももちろんですが、弓具のメンテナンスも欠かせません。また、手入れ不足では実力を発揮できないばかりか、危険につながることもあります。
こうした「破損の予防」に加えて、カケのメンテナンスには「最適化の促進」のような側面もあります。
新品のカケはどこか使いづらく感じられるものですが、それが使い込まれることによって、指や捻革、腰、弦道…などなど、全体がその人の射に合わせて変化していきます。それを見極め、より手に馴染むような手助けをすることもメンテナンスの意義のひとつです。
メンテナンスの例

メンテナンス不足で起こりやすい弦道破損の例
こうなってしまうと、別途修理が必要になります( TωT)

納期
弊社到着後、出来る限り即日返送いたします。
カケが戻ってくるまで練習ができないのが心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、定期的に弓を引かない時期(生徒・学生さんの場合でしたら試験休みなど)がある場合、そこを利用してメンテナンスに出されるのも手です。